僕は、「塔」「短歌人」に所属して、毎月20首出詠している。さすがに、出詠するのがしんどい月もある。歌ができないとき、どうしたら歌ができるか。二つ方法がある。一つは、街をぶらぶらさまようこと。もう一つは、短歌を読むことである。特に、結社誌を何となく読んでいたら、突然歌がひらめくことがよくある。歌友なんぞたくさんいても、歌はできんだろう。作歌というのは孤独な作業だ。誰が助けてくれるわけでもない。しかし、結社誌の歌は、僕を助けてくれるときがある。歌は、読むことが大事だ。結社は、人の歌を読むためと、自分の歌を発表するためであって、それ以上の物ではない。そういう意味では、僕は歌友は一人もいないが、結社誌の歌に救われているのかも知れない。
名歌というのは、結社誌や歌集の中で、ひっそりとたたずんでいる。啄木の、「はたらけどはたらけど」や、牧水の「白鳥は」など、ぶっきらぼうに歌集に収められている。しかし、これらの名歌は未だに語り継がれているのが、僕はそれが不思議でしょうがない。僕は、あまのじゃくなので、結社誌や総合誌にでかでかと載っている歌を信用しない。あんまり、選者という物を信用していないのだ。新人賞の例を見ても、何をか言わんやである。その他大勢の中にこそ、いい歌はひっそりと書かれているはずだ。僕はそういう歌をピックアップして行きたい。それが、読む者の楽しみという物だ。みんなが褒める歌を褒めたってしょうがない。
今日の3首
冷房に吹きさらされた味噌汁を両手で包む一人の昼に 谷村はるか
砂浜で夕日に向かって駆けてゆく理由が欲しくて部活に入る 西之原正明
東京のつばめは昇る昇る昇るそこまで昇らねば苦しいか 谷村はるか
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