2008年08月06日

1111 短歌人8月号、会員欄秀歌選その38

 暑いと言うより、痛い夏が続いている。本当に、夏と言うより、惨い熱と言うべき季節だ。西日本は特に凄いな。もう、暑すぎて米がとれなくなるのではないかと言われている。暑中お見舞いという言葉が、本当にふさわしい。わたくしのブログを読んでくださっている全国の皆様、頑張って夏を乗り切って行きましょう。

 今月の赤丸歌。会員1欄パート1、174首。同パート2、114首。会員2欄パート1、108首。同パート2、135首。計、531首。

     「短歌人」8月号会員欄秀歌選その38

間口狭き刃物屋に並ぶ庖丁の刃渡りは奥へ行くほど長し 吉岡 馨

植物になりたいひとで群れている 水洗便所に水音たてて 山本照子

晩年は幸せですと占われ最晩年の今を思えり 下館えみ子

直前がもつとも美味いといふ納豆つくづくと視るその腐るまへ 田中曄子

「冷(つめた)川」に沿うて歩める中程の「しあわせ橋」を渡ればケーキ屋 高木律子

運命走三度もやってまほちゃんと全部コンビで運命感じる 上村駿介

断絶とか断念、断食「断」の字の強さ見てをり何を断つわれ 三島麻亜子

姉ぶって嫌がる弟おぶいたる駄菓子屋までの距離をおもえり 後藤祐子

夕暮れの土手に忘れてきた日傘 実らなかった恋の思い出 鎌田ヒロ

遊女らのはかなき願ひいまに込め「しばり地蔵」はしばられてをり 荘司竹彦

夫にはしたくないねと茂吉をば小島ゆかりは一刀のもと 荘司竹彦

草を刈るそばをあわててくちなはの逃げ込む先の草も刈る草 高橋とみ子

無言のまま熊本ラーメンすすりおり 底見えしまですすりてしまえり 蜂須賀裕子

過ちはやまあぢさゐを買ひしこと里にありてはうつくしからず 八木明子

形見分けの上着のポケット六箇所じゃら二百四十万円つるり出で来る 川井怜子

アスパラガスの袋に記す〈島田フヨ〉生産者とあり年齢(とし)を想へり 森脇せい子

いやともいえず髪染め呉れし二十年裸電球灯る真下で 栗林菊枝

ふかぶかと椅子に沈みて出番待つ老優のごとし検査室前 越田慶子

「今度会いましょう」が「いつ会いましょう」に変わる時会話の中のかくし味 阿部美佳

石崖に長々と這ふ青大将見ぬふりしつつ目の隅で見る 大西史子

寝違へた背中が夢を覚えてた驢馬のごときを背負ってゐたが 田宮ちづ子

遁走の叔父三郎は叩かれて狂いて帰され三年生きしと 久保寛容

テレビの音声(おと)消せば澄む声ホトトギス 大河ドラマが歴史なものか 久保寛容

人生は運と言い切る十歳児 明日のほたるに逢いにゆかうか 佐和美子
ニックネーム 茶トラのみんく at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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