2005年05月03日

92 「短歌人」5月号「会員1・2欄」秀歌紹介

 今日は、この春最高の快適と言える気温だった。温度湿度ともに最高。体調がやっと元に戻り始める。湿気のあがる梅雨までの休息である。
 「短歌人」5月号を読む。今号は、会員欄に琴線に触れる歌が多かったので、この欄を対象として好歌を紹介してみたい。「短歌人」も、私なんぞと違って、将来有望な歌人が多いよなあ。コメント抜き、できる限り紹介したい。

 居酒屋に火まみれの魚突つきつつ右傾化しゆく鼻照らし合ふ 鳥 リン
 寄せてくる波は翡翠の色をして誰に呼ばれてきたのか春は 猪 幸絵
 亡き友に「生きているだけまる儲け」今も言えない吾を苛む 阿部美佳
 足長の郵便函に凭れいる児の諦念の夕やけこやけ 久保寛容
 民族に祭典はなし濃緑の錠剤飲んで進む隊列 花森こま
 三頭の馬をみなもととして生れし杜貴の血を継ぐ一頭もなし 洞口千恵
 さくら咲くケアセンターゆ弥生子規土器声(かはらけごゑ)のあふれてやまず 伊波虎英
 恋猫が男の勲章(きず)を余るほどつけてもどりてすりすりをする 林 とく子
 妊りしおんなのように新しい社員を待っている昼下がり 津和歌子
 六段の跳び箱はじめて飛びし朝ふみきり台に何落としけむ 有沢 蛍
 十秒後のわたしが歩くあの辺りまぼろしはふと歩調を乱す 猪 幸絵
 楽しみは子らをうたふとき橘曙覧よわれに妻二人の男児あり 矢嶋博士
 溝にカギ落として家に入れぬ夢くりかへし見る最終バスに 近藤かすみ
 神経痛に悩むロボットが出来たら私は評価するのだけれど 松木 秀
 山手線に降りる気配なく眠りいるホームレスの夢覗いてみたし 竹村幸雄
 大柄な人ふえてきてだんだんと職場の空気はうすくなりゆく 大野ゆかり
 老い夫がかくも重荷と思はざり薬あまたを飲みて日々をり 室山郁子
 生きているだけでよろしと思いしは被災ののちのひと月ほどか 上原 元
 病棟に午後の陽は差し無機質に窓は光りて未来のごとし 藤原龍一郎
 日本中で一番難しい歌はなに?『リンゴ追分』か『君が代』でせう

 最後の歌、いいなと思ったら、なんだよ、俺の歌じゃないか。

 藤原作品は、ルール違反(会員限定と言ったのに)だが、いい歌だからしょうがない。紹介させてもらう。取り上げた歌は、コメントをすることが野暮なぐらい秀歌である。「短歌人」の未来は明るい。これからも、「塔」「短歌人」の、私が秀歌と思った歌をどんどん紹介していきたい。若手も頑張ってほしい。筋として、「日月」の秀歌も紹介したいのだが、これは「日月」ホームページで、清水亜彦氏がやっているので失礼にあたるので、当ブログでは、取り上げない。お時間があれば「日月」のホームページも見てください。今後も、私が推す歌人ないしは歌集をどんどんこのブログで取り上げ、強烈にPRしたいと思う。歌集は、ただで手に入るものではない!ゼニを払って、購入すべき書物なのだ。歌人よ、身銭を切れ!

「日月」ホームページ
http://homepage3.nifty.com/~jitugetu/


ニックネーム 茶トラのみんく at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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