2007年05月27日

790「妖刀物語花の吉原百人斬り」

 ウオッカには脱帽する。貴女がこんなに強かったなんて。私の見識不足でした。それにしても、ウオッカから流した人は地団太踏んでいるだろうな。アサクサキングス、こりゃあ買えないよね。ふざけた名前だ。浅草の場末の演芸場に出てる売れないコミックバンドみたいな名前じゃないか。福永は怖いなあ。3着アドマイヤオーラでくやしがってる人は大勢いると思う。それにしてもだ。フサイチホウオー、控え所から馬場道を抜けて競馬場に行くところがモニターに映った。その時はすでに馬券は購入済みである。しかるに、あの野郎、汗びっちょり垂らしながら首は振るは足は蹴りあげるはの大暴れである。やるんだったらパドックでやってくれ。このとき、ウインズにいたロクデナシ一同が「なんじゃこりゃあ!」松田優作と化し、そしてため息をついた。僕もすでに敗戦を覚悟した。まさに「聞いてないよ〜」状態である。なんか彼、気に入らないことでもあったのかよ。こんなに入れこんじゃ駄目、完全に負けである。ああ、馬は生き物(あたりまえか)だ。なんで突然暴れ始めるのだ!?それは馬だけが知っている。締め切ったあとで暴れるなんて、どうしようもないよ。案の定レースでは完全にひっかかり、惨敗。まだ、今年の馬券収支はプラスである。京都金杯の7020円本線大的中が貯金として残っている。しかしながら、今日の敗戦は痛い。大金が露と消えた。尻に火がついている、そんな状態である。ダービーはつい金を賭けちゃうんだよね。来週は安田記念。もう軸馬は決まっている。この馬が安田に出れば買おうと思っていた馬だ。たぶん7番人気あたりだろう。上半期最後のレース、負けを覚悟でこの馬と心中したいと思っている。

      今日のMYビデオ
「妖刀物語〜花の吉原百人斬り」(昭和35年東映京都、内田吐夢、脚本依田義賢、音楽中本敏生)片岡千恵蔵、水谷良重、三島雅夫、沢村貞子、木村功、片岡栄二郎、花柳小菊、原健策、山東昭子

 歌舞伎の「籠釣瓶花街酔醒」を元にした内田吐夢監督の力作。顔に痣のある田舎の大店の主人が、ひょんなことから吉原の花魁の手管にはまり、廓の主人の策略によって全財産を巻き上げられる。彼は初めて自分にやさしくしてくれた女である花魁に入れあげ、「太夫」とするために財産のすべてを注ぎ込む。しかし金の切れ目が縁の切れ目。商家は傾き、金がもう搾り取れないとわかったとたん、廓の主人夫婦はこう言い放つのだ。「この田舎の化け物が」。この映画はリアルだ。そもそも歌舞伎作品自体に実話のモデルがあるらしい。請求額が五十両から始まりそれが百両、二百両、三百両、五百両、千両千五百両とどんどん増えていくのだ。巻き上げる三島雅夫、沢村貞子コンビの芝居が最高。役者冥利につきる楽しさだったろう。また、女で地獄に落ちていく片岡千恵蔵の演技も絶品。そして、無機的な花魁水谷良重も同じく絶品。ラストは、男から巻き上げた金で太夫となった花魁が道中をやる。そこに、妖刀を持った片岡が怒り狂い乱入、片っ端から斬り殺していく。このシーンは何度見ても鳥肌が立つ。桜が舞い散り、三味線が乱打され、まさに様式美の世界である。片岡は、水谷を刺し殺し、叫び続ける。「遊郭の悪いやつは出て来い」。桜が容赦なくその上に舞い落ちる。凄く綺麗だ。内田吐夢の計算された演出がばっちり決まっている。この映画は、夕刊で読んだが、劇作家三谷幸喜が見たがっているそうだ。なんだかなあと思う。三谷ほどの高名な劇作家が、こうした映画を好きなだけ見られない。という日本の不幸に暗澹たる思いがする。なんで日本人が日本映画を観られないんだ。俺は、日本映画の通を自認しているが、それでも見られない名作が相当ある。ビデオで集めているが、それでも及ばない。この作品も、現代では映画化は無理だと思う。やはり、撮影所システムという力があったからこそなしえた企画だ。だいたい役者がいない。「華麗なる一族」のキムタクには失笑した。映画では仲代達矢のやった役である。雲泥の差である。
 俺は、女によって破滅する男というのがうらやましいと思う。女に貢ぎ、女によって破滅する男、最高ではないか。それだけいい女を見つけ破滅するのは自業自得、まさに男冥利につきる。この映画で、片岡千恵蔵が水谷良重を刺すときの台詞、「これでお前は俺の女房だ」が泣かせるではないか。恨みを、殺すことによって自らの生の昇華としているのだ。俺の、男の死に方の理想はかの阿部定事件で高名な吉田吉蔵である。ぜひ俺も定のような女とめぐりあってお願いしたいものだ。女に殺されるって、なんかカタルシスを感じるなあ。また、この映画のように女で破滅する男、というのにもカタルシスを感じる。俺なんか、大金をなくしたが実に下らん理由だ。ちょっと片岡千恵蔵が羨ましい気がする。まあしかし、俺もいつ妻に殺されるかわかったものではないが。短歌の世界でも、男と女のどろどろした情念を描いた歌を読みたいものだ。そういう意味で、この「妖刀物語〜花の吉原百人斬り」はたいへん貴重な映画である。
ニックネーム 茶トラのみんく at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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